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中流家計が年収100万円減、出費は激増。30年前と比較した不安な未来

 持ち家、車所有、子供と月に1~2度は外食、年に一度は家族旅行……誰もが「そこそこやっていれば手に入る」と思い描いていた平均的=中流の生活を、令和の時代に手に入れられる人はごくわずかしかいない。30年前とは比べものにならないほど低下した”令和の中流”の生活新基準を探る!

<中流家計の新基準>

▼30年前の中流 世帯所得550万円(手取り額480万円)
中流家計の新基準

※写真はイメージです(以下同)

▼令和の中流 世帯所得450万円(手取り額365万円) 中流家計の新基準

年収100万円減で出費激増……中流が沈む理由

 かつて“中流”と呼ばれた人々の低所得化が進んでいる――。厚生労働省発表の国民生活基礎調査(※)によると、30年前の世帯所得の中央値は550万円。対して最新の発表(’19年)では437万円と、一世帯あたりの所得が30年間で113万円も低下していることがわかる。 「所得の統計を、日本では長らく平均値で語ってきました。それは“中流”と呼ばれる人たちの層が分厚く、平均値と中央値の乖離が小さかったからです。しかし、ここ10年で平均値と中央値の乖離が大きくなっています。ごく一部の上流層が所得を伸ばして平均をつり上げ、平均値は維持される一方、中流の所得が減り続け、中央値のみが下落しているのです」  そう語るのは経済評論家の中原圭介氏だ。世帯所得の平均値は552万円。中央値の437万円とは100万円以上の乖離が見られる。この乖離こそ、富める者は富み続ける一方で中流が沈没し続けている証拠だ。 ※世帯所得中央値……対象は家族世帯だけでなく、単身世帯、高齢者世帯も含まれている。そのため「単身・高齢者世帯が増えたから世帯年収の中央値が下がった」という声もあるが、30年で単身世帯は3%、高齢者世帯は0.2%しか増えておらず、それ以上に各世帯が総じて低収入化している現状を強く示している
中流家計の新基準

世帯所得中央値

「成長戦略をないがしろにしてきた日本企業は生産性が低く、中流層であるサラリーマンの賃金は上がってこなかった。さらに経済政策もうまくいかず、円安によって実質賃金が低下。個人消費も安倍政権時代に3年連続で減少したばかりでなく、人口減少も重なって国内市場はもはや頭打ち。これでは中流が細ってしまうのも無理はありません」(中原氏)
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所得は減って支出は激増…
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