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『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』脚本家・井上敏樹が語る、“常識をぶち壊す”物語の秘密

祭りだ、祭りだ! 常識をぶち壊す脚本で大暴れ!

井上敏樹/脚本家 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 子供たちを熱狂させるスーパー戦隊シリーズが、今、大人たちをも魅了している。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』。「暴太郎」(あばたろう)という奇抜なネーミング、変身後のメンバーのうち2人がCG、敵役との共闘!? 個性的な登場人物に複雑に絡み合うストーリーで視聴者の心を掴み、SNSでは毎週のようにトレンド入りを果たしている。  そんな魅力溢れる世界を描くのは脚本家・井上敏樹氏だ。番組スタッフからは“大先生”と呼ばれる井上氏がなぜ、31年ぶりに再抜擢されたのか。その魅力の裏側を語ってもらった。

60代の貴重な1年間を捧げるんだ。気合が入るよ

井上敏樹/脚本家──’91年の『鳥人戦隊ジェットマン』放送終了後は数々のアニメ作品や平成仮面ライダーシリーズなどを担当され、今回のドンブラザーズは31年ぶりのスーパー戦隊シリーズのメインライターになります。依頼がきたときのお気持ちは? 井上:もちろん嬉しかったよ。映像業界でも1年間、脚本を書き続ける番組ってあんまりないからね。60代の俺の残り少ない人生の貴重な1年間を捧げてるわけだから気合が入るよ。 ──ドンブラザーズは、主人公たちが変身前の互いの正体を知らないまま話が進んでいくなど、革新的な脚本が世間を騒がせています。 井上:『里見八犬伝』もそうなんだけど、ああいう作品は味方が集まるまでが面白い。集まっちゃうと……同じような話が続いてつまらない。あとはボスを倒すだけのストーリーになる。だからドンブラザーズは、味方がなかなかそろわない。そろいそうになった瞬間に、また誰かがいなくなる。そういう不安定な戦隊が面白いんじゃないかな?と思ってるんだよ。プロデューサーの白倉伸一郎とは、撮る前から「新しいものを作りたいね」と話していた。でもそれって、結局は陳腐ではない“面白い本”を書けば、自然と戦隊シリーズの枠から外れたものになるとも思う。
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弱点があるほうが、魅力的な人物になる
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