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旧統一教会二世の20代女性「学校ではずっといじめられていた」献金で壊れた家庭

「人生がめちゃくちゃになった」。母の入信に自己破産、兄の自殺……安倍元首相に凶弾を放った山上容疑者の人生は暗澹たるものだった。事件の余波は新宗教の信者を親に持つ宗教二世に広がる。教義への疑念、家族との葛藤、抑圧された性。見過ごされてきた苦しみを二世が語った。

教団の実態や生きづらさ。声を上げる宗教二世たち

宗教二世安倍晋三元首相の銃撃事件で注目を浴びている「宗教二世」。今、二世が生きづらさを知ってもらうために次々と声を上げている。 宗教学者の塚田穂高氏は、「二世の問題は見過ごせないものとなっている」と話す。 「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)やエホバの証人、創価学会などの新宗教の信者は国民の1割超ともされる。現在、新たに信者を獲得して急成長している教団はほぼないので、多くが二世かそれ以降。その数は少なくとも数百万人以上。 教団による違いはあるものの、二世の中には信仰をあらかじめ決められ、家に友達を呼べば祭壇を珍しがられたり、しつけでムチ打たれたり、親が布教活動に明け暮れネグレクトされたりと苦しんできた人もいる。それが今、SNSで当事者同士がつながり、問題の声を上げ始め、大きなうねりとなっています」

家族が壊れていく統一教会の過酷な献金ノルマ

「この話題もいつまで続くのかはわかりません。宗教二世の心の叫びを聞いてもらえるのは今しかない」 SNSで声を上げた宗教二世の一人、斉藤千尋さん(仮名・20代)は統一教会の合同結婚式で信者同士が結ばれて生まれた。山上容疑者の家庭と同じように献金によって家庭が壊れていったと話す。 「教団は献金のノルマはないと言っていますが、実際は献金を示す隠語の『K』を使い、毎月『K〇〇万円』を集めなさいと指示があります。毎月、今が一番大変な時期なので地獄に堕ちないために借金してでもお金を集めましょう、と繰り返す。お金はサタン(悪魔)のものだから執着してはいけない、全部捧げなさいと言いますが、私には一番お金に執着しているのは教団のほうに見えました」
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「学校ではずっといじめられていた」
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