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紀藤正樹弁護士「今こそ反カルト法を議論すべき」声を上げられない二世の実情踏まえ

「人生がめちゃくちゃになった」。母の入信に自己破産、兄の自殺……安倍元首相に凶弾を放った山上容疑者の人生は暗澹たるものだった。事件の余波は新宗教の信者を親に持つ宗教二世に広がる。

「家族関係が壊れるのが心配で声を上げられない」二世の実情

合同結婚式

合同結婚式の様子

「これまで宗教二世の抱える問題を相談できる場所はありませんでした。安倍元首相の銃撃事件の遠因には、こうしたことも関わっていると私は考えます」 制度の欠陥についてこう語るのは、宗教や霊感商法に詳しい紀藤正樹弁護士だ。 「親がまだ信仰を持っていれば、子どもはおかしいと思っても家族関係が壊れるのが心配で表立っては声を上げられない。児童相談所も宗教的な問題にはほとんど対応できませんし、消費者センターは政教分離を建前に霊感商法に積極的に関わってくれないのが実情です」 宗教二世が抱える問題の多くは家族や宗教の枠を超えている。 「’21年までに統一教会などからの被害金額は相談が寄せられているものだけで約1237億円に上ります。問題は宗教ではなく、霊感商法や献金を強要する反社会的団体の存在です。それなのに政治家たちは統一教会の集会に参加したり、広告塔の役目を果たしてきた。特に与党の政治家とのつながりは行政、警察、メディアの警戒心を緩めてしまい、数十年にわたる被害を生み出してしまった」

「今こそ超党派で“反カルト法”を議論せよ」

今後、宗教三世や四世へと苦悩が受け継がれないためにも政府や国会での議論は不可欠だ。 「フランスではカルト宗教や反社会的なセクト集団が心の隙につけ込むのを防ぐための法律があります。一度は廃案になりましたが、国全体で議論を尽くし成立しました。今こそ日本も超党派で、“反カルト法”を議論するべきです。 家族がカルト宗教に入ってしまうと、家族だけではほとんど解決できません。もともと家族関係は難しいもの。さらにお互いに知りすぎている間柄ではカウンセリングはできません。だから脱会カウンセリングなど第三者の助けが必要になる。 最近はSNSで宗教二世の人たちが交流するようになってきた。家庭や学校で居場所がなく、どこにも相談できなかったが匿名で悩みを共有できる。同じような境遇の人、そこから抜け出して成功している人を知るだけで癒やしになっています」 【紀藤正樹氏】 ’60年、山口県生まれ。大阪大学法学部卒業後、同大学院修士課程修了。リンク総合法律事務所所長。著書に『決定版 マインド・コントロール』(アスコム) 取材・文/SPA! 宗教二世取材班 写真/時事通信社
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