山上容疑者・41歳が抱えていた“5つの孤独”「最後はいつも一人だ」
安倍晋三元首相の銃撃死事件を巡っては、凶行に及んだ容疑者・山上徹也に極刑を望む意見がある一方で、その不幸な生い立ちから擁護する声も上がっている。ネット上に溢れる言葉は、同情、共感、憧れ、好意……と、どれも殺人者には不似合いなものばかりだ。
この熱狂の正体は何なのか。山上容疑者を通して、現代社会の闇に光を当てる。
山上容疑者の内面を考えるうえで重要な資料が、ツイッター投稿だ。コミュニケーション研究者で、中高年男性の孤独感を分析している岡本純子氏は、「山上容疑者の投稿を見ると、5つの孤独を抱えていたのではないか」と語る。
「1つ目は親に愛されなかったこと、2つ目は支援の狭間に落ちてしまったこと。3つ目は男性としての孤独、4つ目は就職氷河期世代特有の孤独、5つ目は日本人としての価値観がもたらす孤独です」
山上容疑者の1000を超える投稿の中には、〈幼稚園の頃から人との付き合い方は分からなかった。何故お前らはそんなに無邪気に、無垢に、あるがままでいられるのか〉という一文がある。
「貧困は連鎖すると言われますが、孤独も連鎖します。親がコミュニケーションが苦手な人だと、同じように子供もコミュニケーションの取り方を学べず、孤独が受け継がれてしまうのです。コミュニケーション能力は家族関係の中で育まれていくものなのですが、山上容疑者の場合、そういう家庭環境になかった」
「5つの孤独」を抱えていたのではないか
孤独は連鎖する
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