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「まっとうな叱責」「なんか面白くなかった」…“誹謗中傷をやめられない”人々の本音

罰則化が進むネットの誹謗中傷の問題。被害者による注意喚起が叫ばれるなか、加害者は何を思うのか。「やめたくてもやめられない」状態にあることも多いという当事者たちの本音に迫った。

「悪いことだと思っていない」無自覚ゆえの根深い問題

誹謗中傷

写真はイメージです

近年、深刻な社会問題になっているネット上の誹謗中傷。鋭い言葉の刃は、被害者を精神的に追い込み、最悪の場合自殺するケースも発生している。 国は本格的に対策に乗り出し、’22年7月に侮辱罪が厳罰化され、10月には発信者情報の開示請求や削除請求について規定したプロバイダ責任制限法が施行された。 「誹謗中傷はやめましょう」と啓発キャンペーンが打ち出される一方で、そう簡単にはやめられない人がネットには潜伏している。

政治家へのコメントがヒートアップして……

「あくまでも正義感に基づいての行動だったのに、なぜ私が悪者扱いされるのか」 そう語る中田博さん(40代・会社員)は、たびたびネット上で政治思想ゆえのトラブルを起こしている。なかでも揉めたのが政治家に対してだ。 「自分の政治思想を導いてくれた大学時代の先輩が議員になり、ブログで『お前らの政党が不甲斐ないから安倍政権が台頭しているのだ』と“発破がけ”のコメントを匿名でしていました。数か月続けていたらコメントを削除されるようになり、納得がいかなかった。ヒートアップしてより過激になっていきました」 その後は、コメント欄ではなくメールへ移行。議員から届いた返信メールに、びっしりと長文の反論を書き、「私に恐怖を感じるなんてどれだけ臆病なんですか」と無理解を突きつけていた。 「議員から『警察に言う』とメールが届き、これはいけないと思って電話で謝罪しました。『お前だったのか』と呆れられ、警察行きは回避できました。でも相変わらず私は『それは違うだろ』という意見を見つけたら噛みつかずにはいられません。何度もやめようと思っているのですが、ネットを見てはつい意見してしまうんです。相手からすれば誹謗中傷になるだろうけど、的外れや事実無根の非難をしているわけではない。まっとうな叱責だと考えています」
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