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弱者男性とフェミニストはなぜ反発しあうのか?裏にある複雑な心理

貧困などで困窮しているのに“男性だから”と手を差しのべてもらえない男性が「弱者男性」と呼ばれている。先行き不安な時代が彼らを社会の隅に追いやったのか? 彼らが抱える“生きづらさ”の正体を突き止める。

日本人の自己責任論は“不寛容社会”を生む

今回、週刊SPA!が日本人の平均年収である450万円以下で「自分を弱者男性だと思うか」を20~60代の男性3800人にアンケートしたところ約3割が認める形に。そこから500人を抽出すると、その平均年収は236万円と過酷な経済状況が浮き彫りになった。 「Q1・現況に陥ったのは何が悪いと思いますか?」という質問には「自分が悪い」と答える人が圧倒的に多かった。 だが、この結果を鵜呑みにしていいものなのか。臨床心理士の濱田智崇氏は語る。 「日本人は昔から社会的要因が大きい事柄でも“自分のせい”と思い込みやすい。日本の男性の自殺率が女性の2倍なのは、心のケアが手遅れ寸前になるまで“男らしく”我慢してしまう風潮も要因の一つです」 批評家の杉田俊介氏も「’00年代前半、世間で『自己責任』という言葉が流行りましたが、これはむしろ他責的かつ懲罰的な言葉でした。“それは自分の責任だろう”と。自己責任論は他者への“不寛容”にも繫がりやすい」と警鐘を鳴らす。

男性と女性の「どっちが弱者か」闘争

新型[弱者男性]の肖像
新型[弱者男性]の肖像

SNS上では女性蔑視ともいえる言葉が飛び交う。一方、一部フェミニストからの攻撃的な発言もあり、泥沼化している

特に近年、問題視されているのがネット上でのフェミニストと弱者男性の衝突だ。