上場企業の今冬のボーナスが80万円超と過去最高を記録する一方、帝国データバンクによれば、前年比でボーナスが増えた企業は24.1％にとどまった。コロナ明けで広がる賞与格差のリアルな実情を追った。 ボーナスの減額に納得できないとき、賃上げ交渉はできるのか。労働問題に詳しい小川英郎弁護士に聞いた。 「法的には、難しい分野です。というのも、給与や退職金は厳密な算出方法で決められるのに対して、賞与の額は会社の業績や個人の成果を勘案して決められる。 つまり、規定自体が抽象的で企業側の裁量が非常に大きいのです。労働者からすれば、『上司の好き嫌いで、ボーナス額が上下するのでは』と思ってしまう」