「僕は、若者に正面から嫌われようと思った」“ソフト老害”の鈴木おさむ氏が至った境地

「老害=高齢者」はもう古い。年齢に関係なしに、その予備軍たる「老害グレーゾーン」は職場にはびこっている。自分は果たして違うのか?

ソフト老害な自分を受け入れて、初めて見えるものがある

[老害グレーゾーン]の実態

放送作家の鈴木おさむ氏

「ソフト老害」という言葉の生みの親はどう受け止めているのだろう。放送作家の鈴木おさむ氏がソフト老害だった自分に気づいたのは、YouTubeチャンネル『街録ch』が契機だったという。 「作り手の三谷Dとはいくつか番組を一緒にやったことがあり、動画がヒットし始めて『よかったな!』と電話すると、嬉しそうじゃない……。『なんだよ』と思っていたら、1年後に公開前の『鈴木おさむを逆恨みしたテレビマン人生』と題した動画が突然送られてきて、理由がわかりました。観てみると、番組について僕の発言で構成が変わる、三谷Dはこれを“鈴木おさむ的システム”と表現して、恨んでいたんです。 放送作家は40代になると、番組の会議でプロデューサーのブレーン的なパートナーになることが増える。ところが、バランスを取っているはずの行動が、実は若いディレクターたちが必死に考えてきたアイデアをつぶしていた……。ソフト老害になっていた自分に気づきました」 一瞬腹は立ったが、動画を作ってわざわざ送ってくる三谷Dに、「面白い!」と素直に伝えると、関係は修復した。

どんな自分でいたいか、見極めた上で選択する