もうじき私鉄・新幹線から喫煙室が消える。最後までがんばった鉄道会社とは…

鉄道事業者が217社も存在する世界有数の鉄道大国ニッポン。コロナ禍で利用者減少に悩まされながらも、公共交通機関として人々の足を支えている。本特集では首都圏で巻き起こる鉄道員の給与事情や鉄道を中心に巻き起こる知られざるバトルをお届けする!知れば毎日の乗車が楽しくなる! 今月、日本の私鉄・新幹線から喫煙室が消える。そこで、鉄道史における喫煙文化について、専門家に解説してもらった。 さらに、70年越しの悲願、総武線の新小岩駅と常磐線の金町駅を結ぶ「新金貨物線」の旅客化についても聞いてきた。

喫煙室廃止に苦渋の決断

首都圏[鉄道(裏)バトル]大調査’24年3月、日本の私鉄・新幹線から喫煙室が消える──。喫煙者vs禁煙者の戦いは国民の健康志向の高まりを理由に幕を閉じるが、鉄道史における喫煙文化を、鉄道知識に精通する近畿日本鉄道(以下、近鉄)の広報部OB・福原稔浩氏に聞いた。 「私が1975年に入社した当時、近鉄に限らず駅のホームや車内でタバコを吸うのは普通でした。ホームや線路に吸い殻をポイ捨てしたり、駅周辺で自由に喫煙するマナーの悪い人も中には見られ、『駅周辺が汚い』『車両が臭い』などのクレームがあったものの喫煙者優勢の時代がしばらく続きました」