だめ連・神長恒一氏が語る「日本は昔よりも“働かないで生きる”を実現しやすくなった」ワケ

 結婚して、子どもを産んで、家を買う「普通」の生活が、手の届かない存在になってしまったのはいつからだろう。しかし、幸せにはカネが必要だというのはただの思い込みかもしれない。週5勤務、長時間労働、退屈な業務……すべてやめても生きていける。

日本は「働かなくても生きやすい」国になった

 ニートの先駆けとも呼ばれる「だめ連」は、1992年に結成された生き方模索集団だ。「働かないで生きるには?」をテーマに、活動を続けてきた。設立者の一人である神長恒一氏(57)によれば、今の時代は昔よりも「働かないで生きる」を実現しやすくなったというが、なぜだろうか?
[もう働かない]生き方

だめ連:神長恒一氏

 大学を卒業してデパートに就職しましたが、10か月で辞めました。まず、週に5日も働くことがキツすぎるし、早起きしたりひげ剃ったり大変じゃないですか。それに、働いているときの「自分を捨てなくてはいけない」あの感じもキツい。働くために生きるのはゴメンなので、辞めてからは一度も就職していません。  だめ連を結成した当時は、僕たちみたいな意見って珍しかった。でも、今は坂口恭平さんしかり、phaさんしかり、世間に似たような考えが浸透してきていますよね。それは、「普通の生活をする」ハードルが年々上がってきているからだと思います。日本だけではなく世界中でも同じような動きがあって、中国では同じような考えの「寝そべり族」がブームになっています。

カネを使わずに楽しく生きるには