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1000万円以下、相場の半値で買える一軒家も!専門家が教えるお得な“ワケあり物件”を買う方法

分譲も賃貸も基本的に立地や間取り、築年数などさまざまな要因が反映された価格となっているが、なかには相場よりも安い物件も存在する。“ワケあり物件”である。最近は不動産価格の高騰も影響し、こうしたワケあり物件に対する人気が高まっている。
畳を掃除する人

※写真はイメージです(Photo by Adobestock)

しかし、ワケあり物件という言葉こそ広まっているが、詳しいことはよくわからないという人も少なくないはず。専門家による購入を検討する際の注意点はもちろん、実際に住んでいる人たちの事情を紹介する。

“ワケあり物件”は、大きく4つのタイプに分類できる

ワケあり物件と聞けば、多くの人は事故物件を思い浮かべると思うが、そもそもこれはどういった物件を指すのだろうか? 数多くのワケあり物件の買取販売実績を持つ「ハッピープランニング株式会社」代表取締役・大熊昭氏は「ワケあり物件のワケ(瑕疵/かし=傷や欠点のこと)には、大きく4つのタイプがあります」と話す。 その1つ目は、買主や借主に心理的な嫌悪感を与える『心理的瑕疵』と呼ばれる事柄を抱えた物件だという。 「これは病気で亡くなった方が長期間放置されていたり、自殺や殺人などいわゆる“事故物件”が含まれます。また、これ以外にも隣近所に暴力団の組事務所があるといった物件なども該当します」
事故物件

前住人が孤独死した事故物件。外観は普通の中古の一軒家だ(※提供写真)

そう言って大熊氏が見せてくれた画像は、住人だった高齢者が死後半年後に発見された千葉市にある築50年、4LDKの一軒家。価格は980万円で地域の相場より300万円ほど安く設定されている。
事故物件

同じ事故物件の室内。リフォーム前でまだ生活感が漂っている(※提供写真)

2つ目は、物件そのものに何かしらの欠陥を持つ『物理的瑕疵』だ。 「雨漏りや建物の傾き、シロアリなど目に見える形での被害がある。当然、築年数がある程度経っている物件が多くなります」 続いて、3つ目に挙げるのは『環境的瑕疵』。物件自体には問題はないものの立地などの周辺環境によって相場より安くなっているケースだ。 「お墓や工場に隣接していたり、あとは鉄塔やガスタンクの近くにある物件が地域の相場より少し安いのはそうした理由からです」 そして、最後の4つ目は立地そのものに制約がある『法的瑕疵』だ。 「再建築不可物件がこれにあたり、ワケあり物件に占める割合としては非常に多いですね。建築基準法の条件を満たしておらず、増築や解体して新たに建て直すことができないんです。そのため、相場より大幅に安くなっている」 例えば、同法では一部の例外はあるが、原則として幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければ建物を建てられないと定められている。だが、昔はそこまで徹底されていなかったため、古い住宅地の路地の突き当りなどにこうした物件が散見される。 ほかにも建物と接するのが幅4メートル以下の道路、もしくは私道の場合、他人の敷地を通らなければ建物に辿り着けない「袋地」と呼ばれる場所にある住宅も基本的に再建築不可物件となっている。
再建築不可物件

相場の半値の900万円の再建築不可物件。決められたルール内でのリフォームは可能だ(※提供写真)

こちらも大熊氏に物件の画像を見せてもらったが、千葉県松戸市にある築56年、4LDKの一軒家の販売価格は900万円。ただし、再建築不可物件でなければ倍の1800万円の値が付いていたという。 「多いのは築20~40年やそれ以上の古い物件です。ただ、安く購入できる反面、住宅ローンを利用するのが難しいので注意が必要です」 それでも家は一生に一度の大きな買い物。実際に購入した人たちは、ワケあり物件に住むことに抵抗はないのだろうか。肝心の住み心地はどうなのか。詳しい話を聞いてみた。
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。