9割が親に「ムチ打ち」された経験…「エホバの証人」元二世が語る、心の傷と解放への道

世間を震撼させた安倍元首相銃撃事件からもうすぐ2年。事件後は、旧統一教会の暗部が大々的に報道され、付随するように宗教二世問題が取り沙汰された。この機を逃すまいと、多くの当事者たちが、幼少期から受けた貧困や洗脳の被害を訴えてきた。 宗教二世たちを取り巻く環境はどう変化したのか? 事件後、約2年の変化を追った。

脱会して輸血を受けた エホバの証人二世

ルポ[宗教二世のその後]

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宗教二世問題が取り上げられるなか、旧統一教会以外の宗教にもメスが入った。それがエホバの証人だ。離脱者らを支援する弁護団が2023年11月に発表した調査によると、元二世信者など560人のうち約9割が子供の頃に「ムチ打ち」の体罰を受け、約8割が「輸血拒否カード」を所持していたという。 エホバの証人二世として生まれた高屋敦さん(仮名・30代後半)。父方の親族はみな信者で「宗教は当たり前のものとして生きてきました」と話すが――。 「裕福だったこともあり、昔から他の信者からのひがみがすごかった。特に悪質な信者に狙われ、あるクリスマスの集会で暴力を振るわれたのに、周りの人は見ているだけ。不信感が爆発しました」