「日本人は我慢しすぎて、中高年うつになりやすい」イタリア人精神科医に聞く処方箋

職場では降格人事、給与カット、ハラスメント告発などのリスクにさらされ、家庭では夫婦不和、介護、更年期障害や健康不安に苛まれる50代たち。現代の中高年を襲う強烈な孤独感と不安の実態に迫った。

中高年うつは日本人の国民病!?

急増![メンヘラ中年]の壁

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50代で発症者がピークとなるうつだが、欧米では30代中盤と早い時期に迎える傾向にあるという。中高年うつは日本人の国民病なのか。イタリア出身の精神科医、パントー・フランチェスコ氏は「日本人の美徳でもある我慢文化が中高年うつを悪化させている」と喝破する。 「我慢が美徳とされる日本では自分から心の病に気づき、申告できる人は少ない。自分の気持ちを後回しにし続け、50代で人生を見つめ直すときが来ても、人生はもう半分を過ぎている。もう手遅れと絶望しやすいのです。さらに、出世が頭打ちになったり、親の介護が始まったりと、人生設計が揺らぎやすい時期とも重なっているので、余計に行き詰まってしまいます」 宗教観の違いも人生への視点に大きな違いを生んでいる。 「欧米人の多くは人生に悩んだとき、より大きな観点で自分のミッション(社会的使命)を優先し、ある意味でエゴイスティックに行動する。そのため、日本人より早く自分を見つめ直し、実際に行動する傾向にありますね」

自己犠牲の精神がリスクを高める