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正義の味方を装い、詐欺に加担する「闇堕ち弁護士」の実態。各地で二次被害が増加

 各種詐欺の被害金を取り戻すと宣伝し、被害者から着手金だけ受け取って対応しない……。そんな二次被害が各地で増えている。背後には名義貸しをする“提携弁護士”の存在があった! いったいどうなっているのか――。

弁護士すらも詐欺士の“食い物”に? 「非弁提携」の最前線

[闇堕ち弁護士]の実態

非弁提携で逮捕された今野元衆院議員。売り上げの1割を受け取っていた

 SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の被害の伸び率と比例するかのように増えているのが、「非弁提携による詐欺の二次被害」だ。 「非弁提携」とは、「非弁行為」(弁護士のみに認められている行為を弁護士以外が行う違法行為)を、債務整理や詐欺の被害金回収を謳う事務所運営業者と弁護士自身が連携して行うことを指す。  従来は、弁護士が職印や名刺を業者に預けるスタイルが多かったが、昨今は提携弁護士が半ば騙されるケースも多い。

「正義の味方」を装い、着手金を詐取して放置!

 詐欺被害者が、「詐欺被害を回復」「豊富な回収実績」などと広告を掲げた弁護士に依頼したところ、高額な着手金を支払ったのに何も対応してもらえない、そもそも弁護士とやりとりをしていないといったトラブルが相次いでおり、消費生活センターへの相談がこの3年で3倍以上と急増(東京都、NHK調べ)している。 「スカウトした弁護士の名前を前面に出し、弁護士事務所のように見せていますが、実態は広告会社などを装った詐欺集団です。なかには反社と繫がっている業者もあると聞きます」(全国紙社会部記者)  非弁提携で逮捕・懲戒処分になる弁護士も目立つ。記憶に新しいのは、6月に弁護士法違反で逮捕された今野智博元衆院議員の事件。  犯行グループは約900人の詐欺被害者から着手金として計5億円を受け取ったとされ、大きなニュースとなった。  今回、SPA!編集部では非弁提携を行っている弁護士Xとそれを追及する弁護士A氏のやりとりの音声を入手した。