過熱する“反日おじさん”を当の中国人はどう見る?「気持ちはわかる」「同じ中国人と思われたくない」
幼い命が奪われた、深セン・日本男児刺殺事件。蘇州バスジャック事件など、日本人を標的とした事件は日中両国で波紋を広げた。愛国教育の名のもとに刷り込まれた反日感情が、事件の引き金となったのか? 中国のネット事情や経済からその背景に迫る。
愛国無罪の名のもとに行われる日本批判に当の中国人は何を思うのか。階層により意見は異なるようで……。
「大学生のころ、勉強がつらくて、夜中に公衆電話から田舎の母に電話をかけたことがあります。母は『あなたは村で一番賢いのだから、頑張って』と私が弱音を吐くことを許さなかった。そうして歯を食いしばって大学を出たのに、どうしてこんなことに……」
そう嘆くのは、現在無職の黄単さん(仮名・40歳)。福建省の農村から大学に進学し、卒業後は厦門市で経理の仕事を転々とするも、現在は転職先が見つからない状況だ。