仕事

「タイパ時代こそ奴隷のように働け!」SNSで話題の元メガバンク行員が説く逆説的な働き方

―[異端の常識]―
’19年の「働き方改革」以降、日本人の労働スタイルは多様化した。最低限の業務しかこなさない“静かな退職”や、効率重視の“タイパ至上主義”が若いサラリーマンを中心に、流行している。
異端の常識 元メガバンク行員が説く逆説的働き方のススメ

労働生産性の低さが懸念される一方、働き方に悩む人は多い

しかし、こうしたこれまでにない働き方も登場する一方で、「仕事が楽しくない」と悩む人も多い。そんな風潮に真っ向から異を唱えるのが、元三井住友銀行員でキャリア系インフルエンサーの樋熊晃規氏だ。“社畜”だったという銀行員時代をこう振り返った。
異端の常識 元メガバンク行員が説く逆説的働き方のススメ

樋熊晃規◎キャリア系インフルエンサー

異端の常識 元メガバンク行員が説く逆説的働き方のススメ

三井住友銀行に入行当時の樋熊氏(写真赤丸)。就活ではバッキバキの目で他の学生を威圧したという

若いうちほどハードな仕事をしたほうがいいワケ

「最初はハードな会社に入ったほうがいいと思ってました。熱いお湯からぬるま湯に行くのはラクだけど、その逆は結構しんどいじゃないですか。だから、メガバンで一番ノルマがキツい三井住友に入ったんです」 働き方は昨今の風潮とは真逆。昭和を彷彿とさせるモーレツぶりだったという。その一例として、豊橋支店の法人営業部で貸し付け30億円ほどと大型だが、経営が芳しくない案件を手がけたときのことを回顧する。 「稟議を審査部に持ち込んでもソッコーで否決されるのは明らか。銀行では稟議を審査にかけると記録に残るシステムがあり、一度否決されたら通ることはないんです。だから、150ページの起案書を紙のまま東京の審査部まで持参して、ダメ出しされるたびに問題点を潰して……1、2週間に一回、繰り返し通っていたら、半年後に審査部の心が折れて承諾してくれました(笑)。やる!と決めたら、大抵はできるもの。そう思い込んで仕事をするのが大事なんです」 樋熊氏の仕事観は独特だ。だが、同時に本質を射抜いている。

会社は社員がキャストを演じる壮大なコント