更新日:2026年05月08日 16:54
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「豚焼肉弁当499円」に足りなかった”最後のひと押し”――『孤独のグルメ』原作者が見つけた”ちょい足し”の正解/久住昌之

『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは「豚焼肉弁当」。果たして、お味はいかに?
孤独のファイナル弁当

豚焼肉弁当499円は、安すぎるのか?

孤独のファイナル弁当 vol.28「豚焼肉弁当499円は、安すぎるのか?」

 朝の散歩をしている時にこの連載の締め切りを思い出し、帰りに弁当を買った。駅前のスーパーで「豚焼肉弁当」。見てすぐ「豚焼肉弁当、長いこと食べてないかも」と思って、手に取った。499円は安い。安すぎる気もする。  ごはんがなんとなく白すぎるのが気になった。家では玄米ごはんとか麦ごはんだからだろうか。 「500W電子レンジで約2分」と書いてある。今日は仕事場でなく自宅で食べるので、帰ってさっそく書かれてあるとおりに温めた。取り出して蓋を開けたら熱い湯気が出た。こういう弁当は久しぶりだ。  さて、まずはゴマのかかった白いごはんをひと口食べた。  あー、見た目に思った「白すぎるごはん」の味がする。それが熱い。熱すぎるかもしれない。なんというか、味があまりしない。なぜだろう。これは冷たいままのほうがまだよかったかもしれない。  それから肉を食べた。普通においしい。甘い焼肉のタレでないのがいい。玉ねぎが一緒に炒められているのがいい。玉ねぎうれしい。ショウガは入ってないようだ。  で、ごはんを食べる。豚焼肉とごはん。合わないわけない。それは口の中で咀嚼しながらそう思う。が、何か決定的に物足りない。やっぱりごはん、かなぁ。熱いごはんに、おいしさをあまり感じない。俺は贅沢を言っているのか。口が奢っているのか。  試しに、白ゴマを出していっぱい振りかけてみた。玄米ごはんはこれが効く。格段においしくなる。  ところが、白ゴマがいつもの働きをしない。効果があまり感じられない。なぜ?

1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi