近年、大麻事案の検挙件数が急増するなか、昨年12月に大麻取締法が改正された。厳罰化された新法は年内に施行される予定だが、一方で医療用は解禁となった。 　今回の法改正が日本社会にどう影響を与えるのかを追った！ 　大麻は海外では規制緩和の流れとなるなか、海外で使用した場合、帰国後に罰せられることはあるのか。甲南大学名誉教授で弁護士の園田寿氏はこう解説する。 「まず、法改正で大麻が『麻薬及び向精神薬取締法』上の麻薬と同じ扱いになります。それによって『麻薬施用罪』が適用され、7年以下の懲役になる。これがいわゆる使用罪。所持や譲り受けについても、現行の5年以下の懲役から7年以下に厳罰化されます」 　国外での行為はどうなるのか。 「現行の大麻取締法第24条の8は、大麻をみだりに栽培したり、所持したり、日本や外国に輸出入するなどの行為について、国外犯の処罰を規定した『刑法第2条の例に従う』とし、同法の海外での適用を認めています。 　『みだりに』とは『違法に』という意味であり、大麻が違法の国で所持すると、国内でも罰せられるのです」