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1ドル160円が介入ラインか?次の為替介入タイミングをプロが読む

 総額8兆円という巨額円買い介入が実施されて以降も、ドル/円はジリ高傾向。自ずと3発目の介入に対する警戒感が高まるが……果たしていつ火を吹くのか?

3発目はいつ?過去26年分の傾向から次のタイミングを読む!

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記者団の取材に応じる財務省の神田真人財務官 写真/産経新聞社

 神田眞人財務官は、もう一度動くのか? 4月29日と5月2日に火を吹いた為替介入……もとい「神田バズーカ」の余波に投資家や市場関係者が戦々恐々としている。  巨額ドル売り・円買い介入の1発目では160円まで急騰したドル/円を155円まで押し下げ、2発目では158円から152円台まで急落させることに成功したが、なかでも市場関係者を驚かせたのは“神出鬼没ぶり”だったという。ゴールドマン・サックスなどの名だたる外資系投資銀行でトレーダーを務めた志摩力男氏が話す。 「始めにGWで東京市場が休みの日に介入を行い(4月29日)、次(5月2日)はGW後半の連休直前の午前5時の介入でした。1発目は日中の薄商いのなか160円の大台へと釣り上げられたドル/円の水準訂正を狙った介入として理解できますが、2発目はパウエルFRB議長が会見を終えた直後の介入だったという点で異例。仮に、日銀の植田和男総裁が会見を終えた直後に米国が為替介入を行ったら、日本の市場関係者は『市場を荒らされた』と感じるでしょう。当然、米国には話を通したうえで行った介入ですが、決して“上品”なやり方ではありません」

誰もが虚を突かれた「5月2日の介入」

 そのサプライズ感もあったためか、2発目の介入規模は1発目よりも小さかったにもかかわらず、わずか20分ほどで6円近くもドル/円は急落した。大手証券のプロップトレーダーも「過去の介入と比較すると、神田財務官の変態ぶりが伺い知れる」と話す。