不動産価格の上昇が止まらない。もはや“東京住まい”が贅沢なライフスタイルとなった今、溢れるように人が流出している。東京砂漠の悲しき実態とは!? 「こんな値段、誰が買えるのか。マンションを購入しようと思って物件探しを始めたけど、もう諦めました」 ため息交じりに語るのは、大手通信会社に勤める森山圭太さん（仮名・41歳）。パートの妻と合わせた世帯年収は1000万円をわずかに超える程度で、一般的には恵まれた家計だ。だが、現実は思いのほかツラかった。 「返済に追われたくないので上限は6000万円を想定しているのですが、都内で探すと新築は論外。中古マンションでも出てくるのは手狭、駅からも遠い、築年数も微妙な物件しかありません。僕より10年早く買った同期たちは都心部でそれなりの物件を持っているのに、この差は……」 森山さんの嘆きは、数字に如実に表れている。不動産情報サービスを手がける東京カンテイが発表している中古マンションの相場によると、東京の価格は右肩上がり。