「消極的孤独」と「積極的孤独」。孤独にも種類があることは意外と知られていない。しかし、常に“誰かの”物差しが横にある現代人にとって「ひとりになる」ことこそ、豊かな人生には欠かせない。達人たちが孤独から受け取るものとは、一体何か──？ チェアリング、ひとり合宿、極熱サウナetc.積極的に「ひとりになる」は人生を自由にする！ 「あえてひとり時間を楽しむ」という考え方が市民権を得て久しいが、英語には孤独を指す言葉に「ロンリネス」と「ソリテュード」の2種類がある。前者は本人が意図せず孤独感を強めてしまう「消極的孤独」、後者は自分の時間をつくり出すための「積極的孤独」といったニュアンスだ。 孤独に関する書籍を多数執筆する心理学者の諸富祥彦氏は、両者がもたらす心理的影響についてこう説明する。 「ロンリネスはひとりでいても他人の評価に心を奪われてしまう。一方、ソリテュードは左右されません。自己と対話し、ひとり時間を楽しみます。忙しい日々を送っていると余裕がなくなり、ソリテュードを失いがち。最近、仕事に直結する本しか読めなくなった、隙間時間もショート動画しか見られなくなった、などもその兆候で危険信号です。中年世代になったら他人軸から自分軸に視点を移し、他人にコントロールされない人生を取り戻すべき。自分のワクワク感に忠実に生きる、たまには寄り道をするなどして、ひとりを楽しめるソリテュードを手に入れたいものです」