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8月20日「富士山噴火説」。的中率9割の予言書が明示する恐怖に抗う術は

富士山の噴火に備える「ハザードマップ」が今年17年ぶりに改定された。最新の研究では、従来予想の2倍の規模の被害が出るという。そんななか、巷でまことしやかに囁かれる「8月20日噴火説」。もし富士山大噴火が起きたらどうするか? 未曽有の災害に備える術はあるのか

8月富士山噴火説を唱える“予言書”

富士山大噴火

写真はイメージです

 古くから日本人に親しまれ続けてきた名峰・富士山。しかし、その美しい円錐形は今年で見納めになるやもしれない。今夏の噴火が、まことしやかに囁かれているのだ。  噂の発端は、漫画『私が見た未来』(朝日ソノラマ’99年刊・絶版)。著者のたつき諒氏自身が過去に見た予知夢を再現した作品だが、驚くべきはその的中率。  フレディ・マーキュリーやダイアナ妃の早逝などが言い当てられており、特に鬼気迫るのは、単行本カバーに書かれた「大災害は2011年3月」の文字。東日本大震災をピンポイントで予知し、9割の的中率を誇る。  そして、この本が次に予言するのがカバーにもくっきりと描かれている富士山の噴火。しかも「噴火は’21年8月20日」と具体的に唱えているという。
私が見た未来

’77年にフレディ・マーキュリーの死の予知夢を見て以来、20年にわたる予言が書かれている

 これにネット上は大騒動に。単行本には10万円以上のプレミアがつき、この“予言書”の復刊を進める出版社も現れたほどだ。  さらに8月噴火を唱え、復刊に許諾を与えた人間が、実は著者をかたる偽者だったことが発売直前になって判明。騙したほうも騙されたほうも、多くの人間がこの予言書に振り回されたかたちだが、’99年の刊行以来数々の予言を的中させた本の内容を一笑に付すわけにはいかない。富士山噴火への備えは何が必要か?大真面目に考えてみたい。

交通・物流網、電気、水道が停止。火山灰の重さで建物も倒壊する

 富士山の噴火が特に影響を与えるのは、交通・物流網だ。政府想定によれば、火山灰は関東一円に達し、2cm以上の灰が房総半島まで到達する。鉄道は0.5mm以上の降灰で運行に不具合が生じ、自動車は灰が2cm積もればスリップが発生。10cm以上では走行不能となる。
富士山大噴火

偏西風に乗った火山灰は都心へ(富士山ハザードマップ検討委員会報告書より)

 危機管理アドバイザーの国崎信江氏はこう話す。 「豪雪時にもよく議論されますが、国道・県道・市道で管轄が異なるため、復旧速度が違う。国道は除灰されて走行可能でも、県道や市道は整備が不十分で、結局、渋滞が起きることもあります」  直接の影響はなさそうな海路も、機能しなくなる恐れがある。 「コンテナを載せた船が港に到着しても、降灰の影響で機器が正常に作動しなかったり、コンテナが灰にまみれて荷降ろしできないことも想定されます。道路がまともに使えないとなれば、その先の物流網も止まり、船に積まれたまま停滞してしまうでしょう」
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停電・断水のおそれも
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