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都内で小さなバーを経営する60代、赤字なのにやめられないワケ

厚労省の調査によると、世帯主が50代の場合、貯蓄額は平均1049万円ほど。ただ、一方で貯蓄ゼロ世帯は14.8%もあり、実に6世帯に1世帯が「貯金ゼロ」というのが現実だ。そんな彼らを待つ老後とは、いかなるものなのか。今回は国民年金だけの男性のリアルに迫る。
[貯金ゼロ円]の老後

※写真はイメージです

国民年金のみでは生活できず、店に寝泊まりする67歳高齢者

 厚生年金がもらえるサラリーマンならいざしらず、国民年金だけの個人事業主は、生活はより厳しくなる可能性がある。都内でバーを経営する田中泰さん(仮名・67歳)の収入源は、月5万5000円の国民年金と、店の売り上げの15万円。だがそのほとんどが店の運転資金に消えるため、自由に使える金は月1万円にも満たないという。 「離婚し家を追いだされてからは、アパートを借りるカネもないので、店で寝泊まりしています。風呂や洗濯は離婚した元妻の家で済ませ、食事は店の残り物、服は5年間買っていません。いっそのこと店を畳んでしまいたいのですが、年金だけで生活するのも難しく、踏ん切りがつかないですね」

赤字なのにやめられない

 店は明らかに赤字だが、それを手放せば住む場所すら失い、5万5000円の国民年金のみでは路頭に迷うことになる。八方塞がりのまま、経営を続けている状態だ。 「ひとりでいると不安な気持ちになるので、猫でも飼おうと思ったのですが、それすらカネがなくてできない。今は1羽3000円のセキセイインコを買って育てています。エサ代も月500円かからないのでおすすめですよ」  鳥のさえずりだけが、田中さんの癒やしとなっている。
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田中さんの家計簿
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