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消えゆくストリップのいま。赤字覚悟で残すことを決めた劇場の思いとは?

 世界は突然、変わってしまう。昨日あった場所が今日はない。今、多くの人がコロナ禍で実感していることだろう。アダルトの世界も同様に、いや、むしろ激しく様変わりしている。法規制の強化や風俗の多様化で苦境に立たされた人々がいる。絶滅の危機に瀕しながら、それでもなお踏ん張っている。今回はストリップ劇場の現場をご紹介する。

踊り子の艶技を守るため館主は差別と偏見に抗う

昭和遺産

壁には過去に出演した踊り子のポスターがずらりと並ぶ。「設立当時の空気感を味わってほしいから内装は変えない」(A級小倉劇場の木村恵子氏)

 昭和大衆文化の象徴であるストリップの灯が消えようとしている。今年4月14日に公然わいせつ容疑で摘発を受けた「シアター上野」は、8か月間の営業停止処分を受けて休業中。5月20日には、老朽化したビルの取り壊しに伴い、「広島第一劇場」が46年の歴史に幕を下ろした。  警察の摘発しかり、移転・増改築などを認めず、新規開業に厳しい制限をかける法律もまた、劇場の存続を難しくしている。『昭和ストリップ紀行』の著者・坂田哲彦氏は業界の現状を嘆く。 「1980年代の最盛期には全国に300館以上あったストリップ劇場は、今では20館を切りました。1984年の風営法の改正と娯楽産業の多様化、これこそ業界が下火になった大きな要因です」

コロナ禍で客足が激減。経営難に

 クラウドファンディングで資金集めに奔走する、道後温泉街にある「ニュー道後ミュージック」のように、多くの劇場がコロナ禍で客足が激減。経営難に陥っている。 「ストリップは、歌舞伎や能のように保護される伝統芸能ではありません。ゆえに希少性が高いとも言える。熱海温泉街の『アタミ銀座劇場』は、踊り子が股間から火を噴く“花電車芸”を堪能できる数少ない場所。また、福岡県北九州市の『A級小倉劇場』は、1982年の設立から内装を変えることなく昭和の薫りを色濃く残している。『A級小倉劇場』は、今年5月に閉館する予定でしたが、今も変わらず営業を続けています」  いかに危機を乗り越えて存続を決めたのか。「A級小倉劇場」のオーナーを訪ねることにした。
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売り上げは前年の半分以下
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坂田哲彦氏オススメ ストリップ劇場BEST5

A級小倉劇場(福岡)
北九州市の小倉で多くのファンに支えられて復活を果たした。

アタミ銀座劇場(静岡)
温泉街にあり、絶滅に瀕している花電車芸を堪能できるのが魅力。

あわらミュージック劇場(福井)
50年もの間、温泉街を訪れる客たちを沸かせ続ける日本海の雄。人気アニメのコスプレ、エアリアル(空中)ショーも必見。

蕨ミニ劇場(埼玉)
商店街に溶け込む街の喫茶店のような存在。

晃生ショー劇場(大阪)
53年の歴史を誇る老舗で、新人踊り子がたくさん巣立つ名劇場

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