お金

イェール大学助教授・成田悠輔「日本の年金は複雑、国民に気づかれないように負担増」

 一億総貧困時代を迎える日本。本当に恵まれていないのはどの世代か? バブル世代、団塊ジュニア世代、ポスト団塊ジュニア世代、プレッシャー世代、ゆとり世代、Z世代の6つに分類した場合、歩んだ道のりと待ち受ける将来から不幸No.1は「団塊ジュニア世代」(’71~’74年、現47~50歳)という。今回は日本の年金問題について、イェール大学助教授の成田悠輔氏が鋭く核心を突く。

年金崩壊…団塊Jr.世代にメリットなし。払い損体験も一番乗り

 本来は老後の生活を支えるセーフティネットの年金。だが、受給者である高齢者の数は膨らむ一方で、年金保険料を支払う現役世代は減少に歯止めが利かない。需給バランスは完全に崩壊している。 「年金制度が誕生した時代とは人口構造も社会情勢も異なり、同じ形で維持できないのは明らか」
成田悠輔氏

成田悠輔氏

 そう説明するのは、経済学者の成田悠輔氏。今の年金受給者たちが現役だったころに比べ、下の世代のほうが負担は確実に大きい。それでも追いつかない状況で、65歳以上の男性の厚生年金平均受給額は、’16~’20年の5年間で月額6264円も下がっている。仮にこのペースで減額が続けば、団塊ジュニア世代が受給者になるころにはさらに2万円前後減ることに。

年金制度はパッケージが複雑

「目立ちやすい受給額に目がいきがちですが、これだけではありません。そもそも年金制度はパッケージが複雑で、政府は国民になるべく気づかれないように目立たない形で変えようとしています。  実際に受給開始年齢を遅らせたり、現役世代の年金支払額を上げるなど複数の組み合わせによって負担を少しずつ増やしています」
次のページ
厚生年金の保険料率が…
1
2
3
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート