『孤独のグルメ』の誕生秘話。数々の“名ゼリフ”から原作者が語る3つの裏話
食マンガの金字塔として長く愛され続け、ドラマシリーズも人気の『孤独のグルメ』。その名シーンを、主人公・井之頭五郎の自由気ままで、時に奥深い「独り飯名ゼリフ」とともに紹介していく!
『孤独のグルメ』(原作・久住昌之 作画・谷口ジロー)は、輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎が、仕事で訪れたさまざまな街でひたすら腹をすかせ、飯を食う。食うのは、いわゆる「グルメ」とは程遠い、街場の普通の飯だ。ただそれだけの物語にもかかわらず、’96年の初版刊行以来多くの人に愛され続け、最近では作画・谷口ジロー氏の全集『谷口ジローコレクション』の一部としてB5のビッグサイズ(全2巻)も刊行された。
独りで飯を食うことの豊かさと救い、そしてそこから生まれる小さなドラマが、緻密で静謐な谷口ジロー氏の作画と、自由気ままでどこかトボけた、それでいて奥深い五郎のセリフに凝縮されているからこそ、多くの人に共感されているのだろう。今回は『孤独のグルメ』の名シーンを五郎のセリフとともに振り返り、その誕生秘話を原作の久住昌之氏に語ってもらった。
※7月12日発売の週刊SPA!デジタルNFTトレカ付き特集「『孤独のグルメ』名ゼリフ傑作10選」より一部抜粋

記念すべき第1回の舞台は、山谷の大衆食堂。「どこに迷い込んでしまったんだ」と五郎のよそ者ぶりが滲む。
「『孤独のグルメ』は、とにかく主人公のお腹がペコペコというマイナスの精神状態から始まるんですよ。だから、焦ってつまらない店に入っちゃうこともあるし、今みたいにスマホで検索もできないから、勘だけが勝負。『孤独の“グルメ”』だけど全然グルメな話じゃないということが、今、思うと『俺は腹が減っているだけなんだ』に集約されている気がします」
今でこそ、いろんな街の個人店を探訪するのは珍しくないが、20年以上前の山谷は、労働者の街という印象が強く、ヨソモノが気軽に足を踏み入れるには勇気が要った。
「そこに谷口さんが描く、見た目はマジメそうで、仕事もきちんとできそうな五郎が入ってくる。完全な異分子ですよね。そんなヤツが、頭の中では『ぶたがダブってしまった』とか言ってる。バカだなぁって感じですよね(笑)」

●1巻・第1話「東京都台東区山谷のぶた肉いためライス」より
五郎の名ゼリフ誕生秘話を原作者・久住昌之が語る
名ゼリフ1「焦るんじゃない 俺は腹が減っているだけなんだ」


名ゼリフ2「うーん…ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった」


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