更新日:2024年12月18日 15:26
エンタメ

『孤独のグルメ』の店はどうやって探している? スタッフが語る知られざる苦労

テレビ東京の深夜ドラマとしては異例のロングシリーズとなった『孤独のグルメ』は、なぜここまで愛され続けるのか? 制作スタッフの作品に対する熱い思い、そして、視聴者を驚かす知られざる名店を見つけ出す秘密までロングヒットの理由に迫る。

制作スタッフが明かす、店探しの知られざる苦労

『孤独のグルメ』視聴者の心を鷲摑みにする個性的な店はどのように選ばれているのか?
『孤独のグルメ』が愛され続ける理由

右手前から左回りに吉見健士氏、井川尊史氏、溝口憲司氏、菊池武博氏の4氏。彼らの情熱が、『孤独のグルメ』ドラマ化を実現した

 吉見健士氏(テレビ制作プロダクション「共同テレビジョン」制作センター第3制作部・プロデューサー)、井川尊史氏(「共同テレビジョン」制作センター第3制作部・ディレクター)、溝口憲司氏(演出兼監督。ドラマ『孤独のグルメ』の監督担当)、菊池武博氏(「共同テレビジョン」制作センター第3制作部・プロデューサー)の対談から、ドラマの人気を支える名店探しの舞台裏が明らかになった。 ――毎回『孤独のグルメ』には絶妙なチョイスの、おいしそうなお店が登場しますが、店探しは何人のスタッフでやっているんですか? 吉見:Season2まではほとんど僕と溝口監督の2人で探していて、Season3くらいから菊池プロデューサーと井川ディレクターとみんなで探すようになりました。いまは菊池プロデューサーがメインとなって、アンカーマン的な感じでやってくれています。 菊池:ひたすら太ってますね(笑)。店探しの期間はマックス20kgぐらい太って、終わったら体重を戻して。前回は半年間、炭水化物を、一口も食べずに落としました。 ――ハリウッド俳優みたいですね(笑)。毎シリーズいろんなお店が出ますけど、店探し前に、ざっくりとジャンルは決めているんですか? 菊池:こういうジャンルがいいのではという12本のラインナップを最初に決めて、よさそうなところをひとつずつ当たっていきます。 井川:最終的に撮影に至るまでには、ひとつのお店に延べ10回以上は行きますよね。たとえば最初に吉見さんが行って「よかったよ」となったら菊池プロデューサーや僕が行って、よかったらシナリオを作りに通って溝口監督も食べに行って。 菊池:ここで撮影やれると決まってからお店に交渉するので、それまではまったく明かさずに普通のお客さんとして通うんです。 井川:覆面リサーチですよね。「最近急に来るようになったね」って昨日も言われましたよ(笑)。 菊池:あと、五郎さんは一人で全部食べるので、一人で食べられる量かを必ず事前に検証します。 井川:監督がやったり、助監督がやったりね。 溝口:誰かが一度リアルに『孤独のグルメ』をやっているんです(笑)。

台湾編は大変でした

――店探しで特に印象に残っている回はありますか? 菊池:Season6の台湾編は大変でしたね。全然土地勘がないなかで探しまわったので。
台湾

台湾の街並み

溝口:ある程度調べては行ったんですけど、思っていたのと全然違うお店が多くて。で、たまたま入って食べたお店のネギがすごくおいしくて、お店の人に聞いたら“三星葱”という向こうのブランドネギだとわかったんです。そこから産地の三星郷に飛んで、「とりあえず軒先にネギが置いてある店を探せ!」って3班に分かれて……。 井川:なんてアナログな調べ方をしてるんだっていう(笑)。あの店を見つけたのは奇跡ですよ。 吉見:あれが一番足を使ったね。
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熱意の交渉が通じたあのお店
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