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イノシシとシカに悩む農家。狩猟用ドローンを開発したが「使いたくない」猟師も

「人がクマに襲われた」というニュースが頻繁に流れてくるようになった。しかし害獣はクマ以外にもたくさんいる。今回は害獣と人間がせめぎ合う最前線、京都府の福知山市を訪ねた。

農作物を食い荒らす害獣に手を焼く福知山市

害獣

山中で罠にかかったニホンジカ。福知山市役所によると、昨年のシカの捕獲数は4307頭に及ぶ

’22年、害獣による農作物の被害額が1600万円に上った京都府福知山市。市域の8割が森林という地で、農家を悩ませている主な害獣がシカとイノシシだ。同市の生息調査によれば、’21年時点のシカの数は推定1万4800頭、イノシシの生息数はいまだ不明だという。  福知山市は害獣の侵入を防ぐ柵の整備に年間600万円以上を投じているが、「整備されていない森林が荒れ放題になり、新たなすみかになってしまう」(市農林業振興課)と手を焼く。

深刻化する“猟友会の高齢化”

害獣

福知山猟友会の下元さん。イノシシに襲われて、自身の猟犬が脚を1本失った経験がある

「シカは農作物を食い散らかすし、イノシシは人と鉢合わせると猛スピードで突進するから命の危険もあるんですよ」