レッスン代をぼったくって赤字を補てん!? 売れない地下アイドルの事務所が赤字にならない理由
一時ほどの勢いはないが、今も全国各地で多数のグループが活動している地下アイドル。なかには趣味の延長としてメンバーたちが自主的に活動するケースもあるが、定期的にライブ活動を行う大半のグループには事務所に所属している。「運営」などの名で呼ばれ、マネジメント全般を担当。つまり、地下アイドルをビジネスとして行っていることを意味する。
個人的な話になるが、私は2010年代の約5年間、ライター業の傍ら首都圏で活動する某地下アイドルの運営チームの一員として携わっていた。イベントや動画配信などのサポート業務が中心だったが、ビジネスの裏側を当事者として見てきたつもりだ。そこで今回は地下アイドルのビジネスのカラクリについて紹介したいと思う。
そもそも地下アイドルは運営会社と雇用関係にはない。メンバーそれぞれが個人事業主として業務委託契約を交わしているのが一般的だ。芸能人もその多くが同様の契約で、事務所の社員ではないので労働基準法の制約は受けない。
基本的にメンバーの報酬は月ごとに支払われ、その額は「物販における営業成績」で左右される。そのため、どうしても収入格差が生じ、私のグループでも報酬の多いメンバーと少ないメンバーでは3倍以上の開きがあった。それでも一番人気だったグループのセンターでさえ月10万円前後がやっとだ。よく“やりがい搾取”なんて言われるが、それがまかり通っているのが現状だ。
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。