仁王像1体で2000万円!? 知られざる「仏教界」の儲けのカラクリ
ここ数年で激変した業界の一つが葬儀・仏教界だ。家族だけで小規模に行う“家族葬”や、火葬場での簡単なお別れの儀だけで済ます“直葬”も浸透。故人が生前お世話になった多くの人を集めて執り行われる葬儀は減少し、その規模は一気に縮小した。
「お葬式に関する全国調査」(鎌倉新書)によると、葬儀にかかる平均費用は’13年の130万円台から’20年にかけて120万円割れの水準で推移し、コロナ禍を経て’22年に70万円割れへと急降下した。感染リスクを危惧して小規模葬儀で済ます遺族が増えた影響だが、このトレンドが転換する可能性は低い。都内の葬儀場経営者が話す。
「葬儀屋を紹介するネットサービスの走りである『小さなお葬式』などに続いて、『イオンのお葬式』という同様のサービスが浸透した結果、葬儀にかかるあらゆる費用が可視化され、最低限の祭壇などがパッケージ化されていき、近年は『家族葬8万円~』などと謳う葬儀屋が主流になった。コロナが収束して100人規模の葬儀も戻ってきましたが、うちが行う葬儀は30万円程度で済むものが大半。海洋散骨や樹木葬などでお墓に入らない故人も増えており、弔いに大金をかけるという発想そのものがなくなった」