「4回救急搬送されても“パキる”のをやめられない」16歳女子も。トー横で売買される「ヤバい薬」最新事情
居場所のない少年少女の拠り所でありつつ、さまざまな犯罪の温床として周知される歌舞伎町・トー横。そこに出入りしている”キッズ”たちの間では、市販薬の過剰摂取によるオーバードーズ(ОD)が問題になっている。
昨年11月にはオーバードーズ(ОD)をしたがっていた未成年に、万引きで手に入れた市販の咳止め薬を無許可販売したとして、無職の高橋光夢容疑者(21歳)と高校生の男女計4人が逮捕。翌月にも同罪で16歳のトー横の少女が逮捕された。
こうした薬の売買は、現在のトー横ではどれだけ行われているのか。8年前から歌舞伎町を出入りし、昨春からはトー横を拠点に生活を送っていることから界隈の薬事情に詳しいK氏(仮名・46歳)が話す。
「2023年末に逮捕が続いてからは、メジコン(咳止め薬)を売買する奴はあまり聞かない。身近で売買してたキッズもいたけど、相場が1シート300〜1000円と安いから、『たいしたカネにはならい』ってすぐに足を洗ってたよ。広場で売買されるのはたいてい歌舞伎町やらキッズの地元のドラッグストアから万引きされたものだけど、ふつうに自分で店から買うコも多かった」
市販薬の売買は減ったものの、いまだに処方薬の取引はよく目にするという。
「処方薬を持ってくるのは、基本はトー横を拠点に暮らしてる生活保護者たち。医療費がタダだから、『眠れなくて』と医者に訴えてはサイレースやハルシオン、デパスあたりを持ってきて、広場では1シート1000円くらいで売ってる。たまにキッズが万引きしてきたメジコンと処方薬を交換してることも。睡眠導入剤だから単に眠るために欲しがるコが多いけど、たまにストロング系の酒とキメていたり、複数の種類の錠剤を潰してブレンドして飲む危ない奴はいる」
K氏によれば、こうした市販薬や処方薬を求めるトー横の住民は全体の半数以上だとか。これだけ薬物ありきの生活が広まっていると当然かもしれないが、違法薬物の存在感も強いという。
「俺の肌感覚だとキッズの3割くらいは大麻に手を染めてる。メジコンは市販薬で気軽に手を出しやすいけど、BAD(病む状態のこと)が長いし気持ち悪くなるうえ、内蔵がズタズタになるし依存性も高い。けど大麻はただ感覚がフワフワして心地いいだけで、体への害は少ない。海外では合法になってるってから心理的ハードルも低いし、歌舞伎町にいればいろんな入手ルートがあるから」
驚くべきことに、K氏も「売人から手に入れた大麻をトー横キッズに吸わせたことがある」と告白する。実際に広場周辺での取材時には、彼のもとには数人の未成年が「今日いいの残ってる?」と声をかけていった。