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人間ドックに行く前に知らないと損!受けて「得する/損する」検査はコレ

会社員なら年に一度は受けている健康診断や人間ドック。とはいえ、医療機関の指示に従って漫然と受けてしまっている人が大半だろう。 しかし、実は健康診断や人間ドックには「ほぼ意味がない」という検査項目も含まれているのをご存知だろうか。むしろ、ヘタに検査をすると「偽陽性」となり、さらなるムダな精密検査を受けなくてはいけないケースもある。 そんな健康診断の実情を、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。(以下は室井氏による寄稿です)

知っておくべき「得する」検査と「損する」検査

慣れないクリニックや病院を訪ね、少し肌寒い検診着に着替えて言われるがまま指定された検診メニューに従っていく。そんな”すべてお任せ”の精神では、逆に体を悪くしかねない。 あなたの病気を漏らさず見つけつためにも、ムダな精密検査や、誤った治療は避けねばならない。賢く意味のある検査は前向きに受けて、意義の乏しい検査には慎重に臨むのが理想的だ。この記事では、「得」と「損」という観点に分けて、それぞれ3つの検査項目に注目し、受けるべき検診を考えていこう。 *この記事でいう「検診」は、症状がない状態で、スクリーニングとして受ける検査のことを指しているのを強調しておく。症状があるときに、クリニックなどに行って検査を受けるのは検診ではなく、診断のための検査となる。症状や病気の疑いのあるなしによらず受けるのが健康診断や検診で、これは症状がある状態の検査よりも、検査の価値はシビアに評価される。 得する検査その1 「検便」 「検便は進化したな」という印象を持っている人はだいぶ上の年代だろう。かつて検便は薬の軟膏の容器のようなものに便を入れた時代もあった。それが1990年代から、ごく少量の便をスティックで専用検査容器に収める方法が一般化した。もっとも、会社員や学生ならば毎年受けているはずだが、いずれにせよ、検便は「費用対効果の高い方法」と言える。 検便では2日間の便を専用検査容器で採取して、便の中に存在している血液の存在を探っている。血液がある場合には、がんやポリープがある可能性があるので、大腸がんの検診を行うことになる。 検便は、ほかの検診で行われる検査と比べて手間やコストが低いといえる。専用検査容器などが必要なだけで、時間もかからない。自宅で検査ができて、郵送も可能。効率よく病気の可能性を見つけ出すことができる。 海外の試験では、死亡のリスクが低下することも示されている。検便で潜血が確認された場合、大腸内視鏡検査を受けることになるが、続いて説明するように内視鏡検査も優秀な検診である。検便はあなどれない検査と認識してよいだろう。 得する検査その2「内視鏡検査」