「冬の光熱費が月8万5000円」インフレで困窮し、家を失う人たちも

 コロナ明けを襲った令和インフレで深刻化する貧困問題。仕事を失って衣食住もままならないなか、最後の砦ともいえる“住まい”を失った中年男たちの実態とは?  他人事ではない家なき中年の壮絶な生活に迫った。令和インフレで家を失った人たちの壮絶生活とは——。

ついのすみかが危機に。老親を心配する一人娘

[家なき中年]の肖像

髙橋恵美さん(仮名・45歳)

「インボイス制度などのデジタル化についていけず、鉄鋼関係の自営業を昨年廃業。2人暮らしの両親が1か月で使えるお金は年金と企業共済を合わせて15万円ほどです」  そう東北の過疎地域に暮らす老親の状況を語る髙橋恵美さん(仮名・45歳)。 「雪国の冬はとにかく光熱費がかかる。父に聞いたところ、今年1月の灯油代は昨年比で3000円アップの3万5000円、電気代も5000円上がり4万円。  水道とガス代を合わせると8万5000円の出費だったそう。今は食費を切り詰めてしのいでいるようです」

常に雨漏り状態になる事態が発生