更新日:2024年12月16日 15:39
お金

個人資産25億円!元証券ディーラーの投資家が「地銀」の株を買う理由。「低PBR銘柄はチャンス」3000万円以上を入れる投資先も

25億円という個人としては破格の資産を築き上げた投資家がいる。SNSを中心に人気を高める個人投資家のヤマモト氏だ。彼は現在、約23億円を証券口座に入れて運用し、日々の値動きによって1億円が動くことも珍しくはないという。 なぜそのような資産を築けたのか。それはヤマモト氏の経歴を聞けば納得する。彼は「新人の多くは3ヶ月以内で辞める」という証券ディーラー出身なのだ。 証券ディーラーとは証券会社の資金を運用で増やす、いわば投資のプロ。就業時間はすべて相場と向き合い、所属先から厳しい達成目標をひたすら追いかける仕事である。 そんな厳しい世界で15年間も生き残り、「最終的には45億円を運用していた」というヤマモト氏。個人投資家となった今、彼はどのような投資を行っているのか。2回目の今回は、彼が投資先を選ぶうえで重視している「PBR」「PER」への考え方や、そのうえで選ぶべき注目セクターについて聞いた。(連続インタビュー2回目) 【全3回の記事一覧を見る】⇒個人投資家のヤマモト氏の資産[10倍]にする投資術 ※有料会員の方は目次をクリックすると、該当の箇所にジャンプできます。

個人投資家として狙う「バリュー株」「低PBR株」

私の場合は、「激安水準」と言えるバリュー株から大型株まで幅広く扱っています。長期で持つだけでなく、同じ銘柄を短期トレードで回すことも並行してやっています。常時80銘柄ほどを保有していますが、その中でも3000万円以上の資金を入れている銘柄が40社ほどありますね。 なかでもよく取引しているのはバリュー株や低PBR株です。ご存知の通り、2023年からは東京証券取引所が「PBRが1倍以下の株は対策を」という通達を出しています。 低PBRの企業はそれによって自社株買いや増配などを行っていく可能性が高く、投資家から注目されれば自ずと株価も伸びるでしょう。企業が稼ぐ力である収益力が付いていくと株価も伸びやすくなると思います。 また、私の場合は取引枚数がどうしても多くなるので、流動性はしっかり見るようにしています。流動性が低い中小型株の場合、取引枚数が増えると思うような株価で決済ポジション取れない可能性があるので注意が必要です。

今後の低PBR銘柄で注目は「自動車」と「地方銀行」

では、低PBRの企業群の中でも、どのような銘柄が注目なのか。 例えば、自動車株です。日産自動車(東P・7201)や本田技研工業(東P・7267)に注目しています。また、円安基調も受けて営業利益が過去最高益の4兆円と見込まれているトヨタ自動車(東P・7203)はPBRが1.58倍となっています。一方で、日産のPBRは0.4倍で、ホンダは0.75倍と出遅れています。 私が基準にしているのは、PBRが0.6倍以下。PERならば8倍以下がポイントです。日産もホンダもトヨタ並に業績がよくなっていく可能性を踏まえて着目しています。

実際に10銘柄ほど保有する「地銀」の有望株は?

さらに、この「PBR0.6倍以下、PER8倍以下」という基準に当てはまるセクターが地方銀行です。地方銀行は東証による改善の流れがある中で、まだ低PBRで放置されている銘柄が多く存在します。 例えば、地銀トップの三重県の百五銀行(東P・8368)などは、現在のPBRは0.4倍ですが、少し前までは0.2倍ほどでした。
元証券ディーラー出身。株式投資歴15年で資産は約25億。日本株の中長期トレードを得意とする。Xは(@traderyamamoto