あの事件があったから、真剣に向き合えた|ASKA×吉田豪
―[インタビュー連載『エッジな人々』]―
日本のポップスを牽引してきたASKAとプロインタビュアー・吉田豪による7年ぶりの直接対談。圧倒的な歌唱力ゆえに傷つけられた過去、そして“あの事件”があったからこそ見えてきた音楽業界への新たなまなざしについてASKAが語る。(3回目/全4回)
デビュー当時からの「口パク疑惑」の真相
吉田:やっぱり圧倒的な歌唱力の持ち主なのは確実です。『FNSラフ&ミュージック2022~歌と笑いの祭典~』での歌唱時も、うますぎて口パク疑惑が出たって話があります(笑)。「こんなにマイクを離して歌うのはおかしい」と、疑惑が。
ASKA:あれもすごかったね(笑)。マイクを離すのは、リハーサルで同じことやっていたから、フロアのエンジニアの機転です。よくついてきてくれた。
吉田:実はデビューした頃からずっと口パク疑惑は言われ続けてるんですよね。
ASKA:口パク疑惑は、むしろデビューのときのほうが言われてたかな? デビュー当時、腹話術師のいっこく堂じゃないけど、発音したあとに口が開くような感じにしてたのね。これって自分でピッチを調整するための歌い方なんだけど、それで「口パクだ」ってずいぶん言われたもんです。
吉田:そういう疑惑が話題になったとき、ASKAさんは必ずボケるじゃないですか。「デビュー以来、僕は口パクしかしたことない」とか余計なことを言って(笑)。
ASKA:うん、いまだに口パクしかしたことがない。
吉田:ダハハハハ! また始まった(笑)。
ASKA:いや、マジです(笑)
吉田:リハーサルに費やす時間のほとんどが、計算どおりの歌詞間違いの部分という。
ASKA:当然!
吉田:なんで毎回、謎のボケをするんですか。
ASKA:あはは。ヤメよう。長くなる(笑)
1970年、東京都出身。プロ書評家、プロインタビュアー、ライター。主な著書に『男気万字固め』(幻冬舎)、『人間コク宝』シリーズ(コアマガジン)、『サブカル・スーパースター鬱伝』(徳間書店)、『書評の星座』(ホーム社)など 

