「妻に嫌われて、実家に逃げたら母の介護が…」50代を襲う、家庭の3大“うつリスク”

職場では降格人事、給与カット、ハラスメント告発などのリスクにさらされ、家庭では夫婦不和、介護、更年期障害や健康不安に苛まれる50代たち。現代の中高年を襲う強烈な孤独感と不安の実態に迫った。

家庭内の疎外感がうつのきっかけに

急増![メンヘラ中年]の壁

「夜勤明けで寝ていると、体の痛みで泣き叫ぶ母親の声が聞こえて……。休まるときがないですね」と語る長瀬さん

家庭内不和 長瀬浩二さん(仮名・59歳) 公務員 夫婦や子供、両親など家庭に関する問題も中高年うつの引き金になる。1年前から、うつに悩まされている長瀬浩二さん(仮名・59歳)のきっかけは家庭内の疎外感だった。 「妻とは10年以上のレス、娘2人との会話も皆無でした。どうにかしたい一心で、妻の友達や娘の家庭教師に相談しようと、妻に無断で彼女らにLINEを送ったらバレてしまい……。3人から『気持ち悪い。一緒に住みたくない』と激高され、私は実家に逃げて、1年前から別居生活を送ってます」 心の安寧を求めて逃亡したが、90歳になる母親の介護が待っていた。 「片道2時間の職場を往復しながら、母親の身の回りの世話もしていたので、不眠症になってしまったんです。病院に行くと、うつとADHD(注意欠陥・多動性障害)だと診断されました。シフト制の職場なので仕事は休みにくい。いつか倒れてしまう怖さもあるが、家族との生活を取り戻したいので頑張るしかないですね」

既婚でも独身でもある、家庭の“うつリスク”