都知事選5位でブレイクした安野貴博氏とは何者なのか?妻は「この人、定期的に無職になるんです」
―[インタビュー連載『エッジな人々』]―
この男、エンジニア業界では「天才」と一目置かれてきた。9歳でパソコンと出会い、独学でプログラミングを開始。AIスタートアップ企業を2社創業するだけでなく、「ハヤカワSFコンテスト」で優秀賞を獲る作家の顔も持つ。
台湾の元デジタル担当大臣オードリー・タンも認めた俊英が掲げる、「デジタル民主主義」とは一体――?
7月7日に行われた東京都知事選挙で15万票超を獲得、5位に食い込む大健闘を見せた安野貴博氏。AIエンジニア、起業家、SF作家という3つの肩書を持つ33歳が、政治の領域に活動の場を広げたのはなぜなのか。
「しゃべりがうますぎる!」と街頭演説動画がバズった妻・黒岩里奈氏も取材に同席し、運命が激変した1か月間を振り返りながら、未来を語ってもらった。
東京都の首長になれば政治システムをアップデートできる
──4月の段階で〈妻が「あなたは次の都知事選に絶対に立候補してください」と言っている〉というXのポストがプチバズりしましたが、その頃はまだ安野夫婦の愉快な日常ネタだと思っていました。
安野:僕も妻にそう言われた瞬間は、「何を言っているんだこの人は(笑)」と。ただ、一晩寝て冷静になってみると、確かにいいアイデアだと思い直して出馬することにしたんです。
黒岩:でも、「供託金の300万円、納めてきたから」と言われたときは青ざめました。もともと学生時代から政治システムに興味がある人だったんですが、まさか本当に出るとは思わなくて。
安野:僕がこれまでエンジニアや起業家としてやってきた仕事は、テクノロジーを使って既存のシステムをアップデートすること。世の中で最も大きなシステムである政治や選挙に関しても、議員より大きな権限がある首長ならば、しかも東京都の首長になれたなら、できることがたくさんあると思ったんです。


