「1ケ月で筋肉バキバキになったけど、恐怖もある」ステロイド服用にハマった35歳の葛藤
肉体や精神のパフォーマンスを向上させるため、ドーピング行為に手を染める人たちがいる。欲望を叶える手段として“最短ルート”なのかもしれないが、リスクやモラルの問題は深刻だ。経験者に話を聞いた。
格闘界をざわつかせた、平本蓮選手のドーピング疑惑騒動。検査の結果、「シロ」が確定し、騒動は一段落したが、筋肉増量のためにステロイドを使う人は、今の日本にも少なからず存在する。
筋肉増強目的で投与されるステロイドは「タンパク質同化ステロイド」と呼ばれ、テストステロンとその他の薬剤から構成される。
筋肥大に寄与する半面、副作用も深刻。特に心血管系へのダメージが懸念される代物である。
「もやしみたいだった体が、ステロイドを始めて1か月も筋トレしたらバキバキになりました。特に胸、肩、背筋周りがデカくなって。『後ろ姿が怖い』と会社の後輩に言われたときは嬉しかったですね」
そう語るのは、繊維メーカーに勤める小山大典さん(仮名・35歳)。きっかけはパーソナルトレーニングの先生に勧められたことだった。