腐った食べ物の臭い、汚いトイレ……ネットカフェ難民の心身をむしばむ酷い“住環境”

貧困問題の象徴「ネットカフェ難民」という言葉が’07年に生まれ、その後東京都の一斉調査で都内に4000人いることが判明してから6年。現在、問題視されているのが、長期化だ。出口の見えない実態に迫る。

ケガ、病気、悪臭。長期滞在はトラブル山積

[ネカフェ長期難民]の実態ネットカフェ生活が長くなるとさまざまなトラブルに直面する。第一に、健康上の問題だ。休息に適していないのはもちろん、病気やケガを負った場合も困難を伴う。 ネットカフェで断続的に3年間寝泊まりしていたAさん(50代男性)は宿泊して半年後に交通事故に遭い膝に大ケガを負ったが、病院に行くお金がなかったため自身で応急処置を行った。しかし日を追うごとに傷は化膿していき、ブースを越えてフロア中に膿の悪臭が充満。店側から退去を迫られてしまった。 また、設備が劣悪な場合は精神的ストレスも増える。2年半ほど週3回の頻度でネットカフェに寝泊まりしていたBさん(30代女性)が話す。