更新日:2024年11月11日 14:25
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6年間ネットカフェで生活する41歳男性、妻子アリ会社員なのに「家に帰れない」ワケ

貧困問題の象徴「ネットカフェ難民」という言葉が’07年に生まれ、その後東京都の一斉調査で都内に4000人いることが判明してから6年。現在、問題視されているのが、長期化だ。出口の見えない実態に迫る。

ギャンブル依存症を抑えるためにネカフェへ

[ネカフェ長期難民]の実態

田中孝司さん(仮名・41歳)パチンコにハマり家庭崩壊。妻からの三行半を待つ状態

会社員として働きながら“あえて”ネットカフェ生活を送る人もいる。田中孝司さん(仮名・41歳)が今のネカフェに暮らすようになったきっかけは、ギャンブル依存症だった。 「パチンコに450万円を使い込んだのが妻にバレたんです。当時はすでに子供が生まれていましたが、家にいると家財道具などを売ってパチンコ代にしてしまうのが目に見えていた。それで妻と相談し、家を出ることにしました」 それから6年。ネカフェから会社に出勤して給料は妻に渡し、月のネカフェ滞在費4万円と最低限の生活費を送金してもらう生活を続けている。パチンコでできた借金数百万円の返済も残っている状態だ。

6年間、一度もパチンコには手を出していないが…

妻との連絡は月1回程度の生存確認のみで、日々成長する子供の写真を見て胸を焦がす毎日だ。 「食事は主にスーパーの弁当やインスタント食品で済ませ、寝心地の悪いブースでは疲れもとれない。体重も5㎏ほど減りました」 唯一の娯楽は漫画だが、『賭博黙示録カイジ』を読んだときは心がざわついたという。 “禁欲生活”のおかげでこの6年間、一度もパチンコには手を出していないというが、帰宅のめどは立っていない。 「依存症治療の専門機関に相談したことはあります。でも家に戻ったら、パチンコを再開しないだけの自信がない。子供にはいずれ正直に伝えようと思っていますが……」
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「ネカフェのほうが楽だ」“見えない”貧困層の存在
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