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「50歳の僕に育てられるのか?」子育てで鬱が悪化し、妻子と別居してわかったこと

高齢&晩婚化で50歳を過ぎて子宝を授かる男性が増えている。体は衰え、稼げる時間は限られ、親の介護リスクに頭を悩ませる……。そんな高齢パパの奮闘と葛藤を追った。

結婚当初は子どもを持つことに消極的だった

急増![高齢パパ]の現実

15年前に会社の同僚だった奥さんと結婚。妊活、不妊治療を経て、一昨年娘を授かるが、鬱病が悪化して別居

【高齢パパの家族構成】 田中さん(52歳):事務職 妻(44歳):フリーランス 娘(2歳) 「30代から鬱病を患っていたこともあって結婚当初は子どもを持つことに消極的でした」 そう話すのは50歳のときに子どもを授かった田中昭仁さん(仮名・事務職)だ。 「結婚から数年たって、なかなか子どもをつくろうとしないことに業を煮やした妻から『離婚か、妊活か』の二択を突きつけられました。鬱に悩まされた時期も支えてくれた妻を失うなんて考えられない。それで、妊活を経て結婚13年目に娘が生まれたんです」

初の育児は心配事だらけ

だが、初の育児は田中さんにとって心配事だらけだった。 「ベビーベッドに寝っ転がっているだけの頃からは、交代でミルクやオムツ替えも何とかやっていたのですが、1歳を過ぎて歩き始めたら怖くなった。『転んで頭をぶつけないか?』『誤飲して喉に詰まらないか?』と心配で頭がいっぱいになり、鬱の症状がひどくなって眠れなくなった。それで、なにかにつけて妻責めるようなってしまい、ついには別居を切り出してしまった」 奥さんは「普段は温厚な夫が出産と育児の環境変化で追い込まれてしまった」と話す。

一人で過ごすと悪いことばかり考えてしまう