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「自分の死後に、妻を一人にしたくない」61歳で子どもをつくった男性の決断と不安

高齢&晩婚化で50歳を過ぎて子宝を授かる男性が増えている。体は衰え、稼げる時間は限られ、親の介護リスクに頭を悩ませる……。そんな高齢パパの奮闘と葛藤を追った。

23歳下の妻を一人にしたくない

急増![高齢パパ]の現実

堺さんは前妻との間に3人の子どもがいるが、離婚時の騒動もあって絶縁状態に。現在は61歳で授かった娘を溺愛

【高齢パパの家族構成】 堺さん(65歳):企業家 妻(42歳):自営手伝い 娘(4歳):幼稚園 「妻には本当に苦労をかけた」 4歳の娘を持つ企業家の堺俊彰さん(仮名・65歳)はこう話す。23歳下の妻と幸せな家庭を築いているが、経済事件に巻き込まれて1年近く勾留された過去を持つという。 「そのときに妻が毎週3回、差し入れをしてくれたんです。大事にしようと思ったと同時に、自分が先に死ぬのは間違いないので、そのあと妻を一人にしたくないと思った。それで不妊治療を始めたんです」

子づくり願望の背景にあったもう1つの要因

堺さんには25年前に離婚した前妻との間に3人の子どもがいる。だが、親権を巡って離婚訴訟にまで発展したこともあり、20年以上も絶縁状態。 「子どもを引き離されたという経験も子づくり願望の背景にあったかも」と話す。 「前は働き盛りだったので、まったく育児をしなかった。一方で、今は年を取りましたが、時間の融通が利くので娘と過ごす時間をつくりやすい。走り回る娘を追いかけると息が切れて脚が痙攣しますが……いいダイエットと考えてます。体重が減るとともに話し言葉は幼児化していますが」

高齢パパの将来の不安は拭えない