更新日:2025年01月11日 18:28
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「長くて20年かかる」能登の屋根瓦職人たちの終わりなき闘い

 能登半島地震から1年が経過した。厳しい地理条件や人口減少などにより、一部では「復興ができない」と言われる被災地であるが、実際にはどのような状況なのか。震災から2年目の冬を迎える現地を直撃した。

「最長20年はかかる」屋根瓦職人たちの終わりなき闘い

[酷寒の能登]住宅復興の舞台裏

石川県災害対策本部の調べによると、震災の住宅被害は8万棟以上。職人一人に約2000軒がのしかかる計算だ

 復興を目指す上で欠かせない存在が、瓦職人たちだ。能登には伝統の黒瓦を使った家屋が多く、屋根瓦の修復作業も急務だが、多くの困難に直面している。  25年の経験を持つ瓦職人の横尾亮さんは、「一つの屋根の中でも剥がれたり、ひっくり返ったりと複数の損傷状況が混在しているので、複雑で時間もかかります」と話す。  また、応急処置でブルーシートをかけられている場合はその撤去に手間がかかる。作業は通常3日から4日、場合によってはそれ以上を要することも珍しくない。  さらに季節によって作業難易度は大きく変わる。特に’24年の夏は酷暑で、職人たちへの負担が大きかった。