更新日:2025年02月14日 13:59
仕事

インド人が大切にする「水のような柔軟性」で売上2億円強。インド人CEOの仕事の流儀とは

国際競争力に劣る日本。移住者が増加するなか、己の才覚と哲学を武器に成功する外国人経営者たちがいる。日本人の既成概念を飛び越えて活躍する彼らの“日本で成功するための仕事の流儀”に迫った。 インド、中国、オランダetc.グローバルな成功哲学を伝授!
外国人経営者に学ぶ[仕事の流儀]

パンカジ・ガルグ氏

パンカジ・ガルグ氏(インド出身)

アイ・ティ・イーCEO。1988年、神戸製鋼所のエンジニアとして来日。その後、インテルなどを経て、’07年から無電源の温度記憶保冷剤アイスバッテリーを開発する企業を経営

幼い頃に姉を亡くした悲しき過去。「同じ悲劇を減らしたい」

’07年に生鮮食品や医療品を無電源の保冷状態で長時間運べる「アイスバッテリー」を開発。低温物流に革命を起こし、今や売り上げ2億円強を誇る企業にまで成長させた男がいる。アイ・ティ・イー・CEOのパンカジ・ガルグ氏だ。
外国人経営者に学ぶ[仕事の流儀]

アイスバッテリーはインド、UAEをはじめ世界6か国で利用されている

「36年前、インドでコンピュータサイエンスを学んだのち、神戸製鋼所のエンジニアとして来日しました。その後、インテルの半導体開発に従事。PC内の半導体冷却技術をヒントにアイスバッテリーを思いついたんです」 それまで低温・冷凍物流は膨大な電力を使う冷蔵冷凍車が主流だったが、適温がそれぞれ異なる荷物も多く、効率的な配送が難しかった。 「アイスバッテリーなら-50℃から25℃まで任意の温度のものが用意されており、CO2も発生しない。今では厳しい温度管理が必要なワクチン輸送にも利用されています」 この製品開発の裏にはガルグ氏の悲しい過去がある。