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親と縁を切ったら葬式をどうする?火葬だけする方法や、喪主代行サービスも

「親の面倒は子が見るもの」という価値観が、私たちを苦しめる――。求められる仕送り、消耗する介護に、心身の疲労が蓄積し、もう疲れたと自ら望んで家族関係をフェードアウトする人々が増加中だ。その切実な胸の内を聞いた。

家族の死去。葬儀はどうする?

[家族をもうやめた]人の肖像連絡手段や文面上で絶縁していても、「家族の死去」は誰にも訪れる。顔も見たくない家族の葬儀はどうすればいいのか? 家族の葬送事情を多数取材する、橘さつき氏はこう話す。 「家族と絶縁している方が選ぶ手段として最も多いのは、儀式をしない火葬のみの『直葬』。絶縁家族に限らず、葬儀に意味を見いだせない人や、葬儀費用を抑えたい人の間で最近増えている葬送の形です」 親族のみで執り行う家族葬でも、絶縁している場合、家族が揃わず、一切の会話を交わさず帰ってしまうケースが多いという。 他の家族に任せられる場合、絶縁した本人は葬儀に出ないで済む。しかし、家族がいない場合は自分で火葬から納骨まで執り行わなければならない。それでも立ち会いたくない場合は、葬儀社や家族代行業者に喪主代行を頼むことも可能だ。 「喪主代行を行っていても、葬儀会社のHPには表立って打ち出されておらず、オプションとして相談可能な場合が多いため、事前に会社に問い合わせるといいでしょう。レアなケースですが、参列者が喪主代行者のみの場合もあれば、参列者がいる葬儀なのに、喪主は家族ではなく喪主を装う代理人という場合もあるようです。料金は一概には言えませんが、葬儀費用+打ち合わせなしの1日のみで10万円くらいからです」 葬儀費用については、絶縁していても親の遺産から払うことができる場合があるという。 「施主となった人(絶縁した本人)が故人(親)の法定相続人で、他に相続人がいない場合、そして故人に遺産がある場合は立て替えた葬儀費用を遺産から受け取ることができます。ただし、他に相続人がいた場合は、その人との事前合意がなければ立替金をもらえないこともあります。故人の負債を心配して相続放棄をしたい場合も、注意が必要です。故人が生前にしていた契約の解除や遺品整理をすれば相続財産に手をつけたと見なされ、相続放棄は認められません」

絶縁した家族の主な送り方

直葬:遺体を火葬場で焼くだけの方法 家族葬:家族や親族を中心に行う小規模葬儀 喪主代行:喪主を務めたくない場合、代理を依頼する方法

墓ごと撤去して死後の関係を整理する