地震、噴火、台風、豪雨……。国は防災グッズの準備を促すが、正直ちょっと高い。また、出かけ先など“備え”がないときに被災したらどうすれば? 今回、0円で代用できる防災サバイバル術を伝授する!
国が定める救援物資到着の目安はおよそ「3日」。そんな状況で、備蓄ナシ&避難所が大混雑だった場合の0円防災はコレだ!
STEP①採取 布で植物の結露を集めたり清潔なトイレ水を飲め!
生命維持の上で欠かせないのが「水」。突発的な災害発生時、水が手に入りづらい状況では、飲めない水がある一方で、工夫次第では飲める水も存在する。緊急的な喉の渇きを潤すために、野営家の伊澤直人氏は「タオルとビニール袋で飲み水を作ることは可能」と明かす。
「地道な作業にはなりますが、都心部でも可能なのは葉っぱをビニール袋に詰めて葉から出る結露を採る手法。もしくは地面に穴を掘って底にペットボトルなどを設置、ブルーシートで蓋をして水を採る方法があります」
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もちろん恵みの雨が降れば助かるが、「雨も不純物が混ざっている降り始めの10~15分をすぎれば飲める」そう。また、元陸自衛隊の経歴を持つ芸人・小野寺耕平氏もいくつか活路はあるという見解を示した。
「トイレタンクは断水後でも流す分の水が残っていて、比較的清潔な状態であれば、飲用可能です。あとは、水たまりの上澄み部分を布に吸い込ませて採取し、絞って集めます。まぁ、こちらは濾過が必要ではありますけどね」
生き残る選択肢として飲める水は覚えておきたい。
STEP ②濾過 タオルやハンカチ、靴紐、布類で汚水を濾す!
雨水、井戸水、プールの水など飲用に代用しやすい水が身近で見つけられる一方、衛生・健康面に不安を感じる場合はなるべく濾過をしておきたいところ。
「緊急時の浄水器・濾過装置がないときの代用品として活用できるのが、ペットボトルを使った濾過装置。キャップの中央に穴を開けて底を切り取り、炭、小石、砂、タオル等の順に層にする。この装置で濾過された水は煮沸すればより安全に使えます。水の臭いや汚れを取るのに効果的な炭は、災害時は入手が難しいですがなくても濾過は可能」(小野寺氏)
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ペットボトルの底を切り逆さにして、下から小石→炭(※あれば)→砂利→タオルなどの順に詰める。ペットボトルのふたは閉めたままにし、ペットボトルの下部に少しだけ穴を開けて水の出口を作る
とはいえ、これらの素材さえ手に入らない可能性もある。さらに簡単な濾過方法として推奨するのは、布濾過だ。
「用意するのは紙コップ2~3個と清潔な靴紐。なければ帯状にしたTシャツでも。汚水を入れたコップの中に靴紐の片端を入れ、もう片端を空のコップに入れます。このとき、汚水コップを上に、空コップを下に段差ができるよう設置すること。すると靴紐の片端が汚水を吸い上げ、もう片端から水が下のコップに落ちていきます。階段を利用して4段ほどあれば十分」
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水を入れた紙コップに、靴紐など繊維質の紐を入れ、階段など段差がある場所に設置。3個以上紙コップを用意できれば、かなり綺麗に濾過された水を手に入れられる
ただしこの方法はあくまでも簡易的なもので、泥水や海水に含まれる科学的汚染や塩分まで取り除くことは不可能。
「一級河川が近ければ、川から1mほど離れた場所に穴を掘ると湧き水が染み出てきます。10分ほどで土や砂が沈殿するので、上澄みを布に染み込ませ、さらに濾過すればより安全でしょう。川辺の水を採る際は、そこが下流ではないか、上流だったとしても汚物がないか確認は必須です」
口に入れるものだからこそ、水回りは冷静に対処したい。
その他の採取方法
低アルコール飲料
沸騰させてアルコール分を飛ばせば飲用可能
海水
濾過では塩分を除去できないが蒸留すれば除去可能
尿
塩分濃度0.9%。尿1:水4の割合で希釈すればギリギリ飲用可
ONE MORE STEP 煮沸 銀紙と乾電池をくっつけライター代わりに着火!