「頭がいい人」ほどハマる偽情報の罠。「自分は正しい」という思い込みを加速させる原因とは?
―[偽情報の作られ方]―
悪質切り抜き、ディープフェイク動画、陰謀論……etc.「一億総メディア社会」の今、悪質な情報操作は看過できない問題となった。一説には真実の6倍以上の速さで拡散され、我々を惑わすとされる偽情報。そうした偽情報を信じるのはどんな人か、専門家の意見を聞くと、意外な人物像が浮かび上がってきた。
頭がいい人ほどハマる“落とし穴”
巷にはびこる偽情報。これらは「情報弱者が信じるもの」と思われがちだが、実は頭がいい人ほどハマる“落とし穴”があるという。「ネックになるのは合理化能力の高さ」と解説するのは、明治大学教授で法言語学者の堀田秀吾氏だ。
「人は情報の取捨選択をする際、真偽を問わず無意識に自分の意向に沿う情報だけを拾ってしまう『確証バイアス』が働きます。例えば“悪いヤツ”というイメージがある相手について、その相手が悪いという前提を補強する証拠ばかり選んで注目してしまうような傾向があるのです」
これが「自分は正しい」という思い込みを加速させる原因になっているという。
「さらに頭がいい人の場合、情報を精査する過程において、相反する情報を目にすると『認知的不協和』と呼ばれる矛盾に対する不快感が起こりますが、その合理化能力の高さゆえに『後付け』の理由で論理を組み立てて、その矛盾を解消し、正当化してしまう傾向があるのです」
典型的な事例が「ブラック企業によるやりがい搾取の場面」だ。
「例えば『頑張って働いてお金を稼ぎたい』という自分の意向に対して、『就職した会社で低賃金の長時間労働を強いられる』という現実を突きつけられた場合、その2つの状況には矛盾が発生します。
しかし『ずっと夢だった仕事だから』『やりがいのある仕事だから』など、プラスの側面を持ち出して正当化し、その矛盾を解消しようとしてしまう。頭がいい人ほど、これらのスキルが高く、整合性がとれてしまうため、相互作用することで、思い込みのループから抜け出すことが容易でなくなってしまうのです」
また、頭がいい人が偽情報を信じてしまいやすい理由には「社会的な背景」も同時に深く関わってくる。


