上司からの圧力、後輩の指導…“多重責務”に苦しむ中年社畜に明大教授が教える「心理的柔軟性の取り戻し方」
―[もう限界です!狂う中年社畜の実態]―
理解不能な人材のマネジメントに、過剰な成果主義。無策な会社がいま、真面目に働いてきた中年社畜の人生を狂わすケースが後を絶たない。多様化する職場に何が起きているのか。ミドル会社員を襲う新たな危機に迫った!
“ほろ酔い状態”で働けばむしろ自信が回復する!?
冴えない日々を送る中年教師たちが、パフォーマンスを上げるために「ほろ酔い状態」で授業しようと試みる……。そんな様子を描く『アナザーラウンド』という映画がある。明治大学グローバル・ビジネス研究科教授の野田稔氏は、この映画の中に迷わないヒントが隠されていると語る。
「一見コメディ映画のように思えるかもしれませんが、この作品は、中年の危機と再生を陰惨さ込みで描いています。登場人物たちは人生の『正午』を迎え、自分自身との向き合い方に苦しんでいます。この映画が描く感覚は、まさに現代のサラリーマンが抱える問題と深く重なるんです」
そもそも、野田氏は現代の日本の中年が「多重責務」に苦しんでいると指摘する。
「40~50歳という年齢的にも、プレイングマネジャーという現場兼任ポジションの人が多い。上司からのミッション、後輩の指導など多くの責務を担い、さらに家庭でもああしろ、こうしろと責任が求められる。これらを並行して処理していくのは、もはや人間業ではないと思います」
では、どのようにしてこうした中年の危機を乗り越えるべきか。野田氏は「心理的柔軟性」を取り戻すことが重要だと語る。心理的柔軟性とは、立ち止まって自分の不安・感情・状況を客観視し、自分にとって本当に大切なことを明確にできる状態を指す。その具体的な対処策として氏が推奨するのが「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」という手法だ。
「心理学の世界でよく提唱されている療法です。不安を感じることがあれば、まずその不安を書き出し、“見える化”してみる。すると、漠然とした不安を具体的な課題に変えることができ、本当に大切にしたいものや、物事の優先順位が見えてくるはずです」


