「“大学教授の父”に突然ズボンを脱がされて…」27歳女性が“わかりにくい虐待”にスポットを当てたいワケ
精神保健福祉士の資格を持ち、実務経験がありながら、退職して弁護士を目指す女性がいる。やまゆうさん(@GYUKA1519)、27歳だ。虐待された児童を支援する活動をしているが、自身もまた被虐待児だった過去がある。「私の体験は、話しても『それは虐待ではない』と否定されることが多くて……」と悔しさをにじませる彼女の言葉に耳を傾けた。
――やまゆうさんは、社会的に立派な肩書をもつご両親に育てられたと伺っています。
やまゆう:そうですね。私は香川県丸亀市に生まれました。父は大学教授、母は薬剤師です。見合い結婚だった両親は、どこか他人感のある夫婦でした。子どもに対する愛情は豊かとは程遠く、無関心がもっとも適切な表現かもしれません。
――お父さんからの虐待を受けたのはいつ頃からでしょうか。
やまゆう:古い記憶だと3歳くらいのときです。2人でテレビを見ていたら、突然ズボンを脱がされて、お尻の穴にティッシュを詰められました。父がいかにも愉快そうに、面白がってやってきたのを覚えています。
――とてつもない虐待経験に感じますが。
やまゆう:ただ、父は非常に巧妙で、すべて私の妄想であるかのように仕立てるんです。のちに勉強して、こうした「相手がおかしいのではないかと錯覚させる」心理的虐待をガスライティングということを学ぶのですが。また、父の肩書も手伝って、私の被害を訴える声に耳を傾ける大人は皆無でした。
――たとえば、どんな訴えをして、どう無視されたのでしょうか。
やまゆう:小学生時代からリストカットなどの自傷行為に走り、中学・高校時代にはピークに達しました。ときには自傷によって病院に運ばれたり、家出をして警察に保護されることもありました。心にずしんときたのは、家出をしたときにある警察官から「親から殴られて育った子もいるんだぞ!」と怒鳴られたことです。また別の警察官は私のリストカットを見て、「もっと傷が深い子もいる」という趣旨の発言をしました。つらくてSOSを出しても、頭ごなしに否定されてしまって、身の置き場がありませんでした。

やまゆうさん
大学教授の父に、ズボンを脱がされて…
リストカットを見た警察官が驚きの一言
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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